ギター、なかでもクラシックギターはその特性上チューナーとの相性がいいとは言えません。弦を弾いた瞬間は音が上ずり、そのあとも音程が上下します。このため市販のチューナーで完璧に合わせるのは難しいのが現実です。また、クラシックギターの高音弦には「不良弦」と呼ばれる音程や振動が良くないものが一定の確率で存在します。そこで、クラシックギターに特化した機能として、不良弦の検出やクラシックギターの特性に合った「オートロック」付き高機能チューナーアプリを開発しました。この記事で使い方を解説します。
「Pulsar Tuner」および「ReString Logger」のチューナー機能でできること
この不良弦検出&高機能チューナーは「ReString Logger」の機能の一部として搭載されています。
また、軽量で使いやすいアプリとして高機能チューナー機能を「Pulsar Tuner」アプリとして現在開発・審査中です。
これらのアプリでは以下のことができます:
- 不良弦検出機能
- 開放弦、12Fハーモニックス、12F実音の音程を比較、差分を検出
- 音のぶれから弦の真円度を算出
- 高機能チューナー
- ギター、特にクラシックギターの特性に合わせたアルゴリズム:トラッキング・ヒステリシス、弾弦直後の上ずった音を無視、その後音の減衰に合わせてノイズ判定を緩める、など
- オートロック:一定期間音程の振れ幅が基準以下を保ったらピッチ数値をロック、ぶれ続ける弦の音程のチューニング判定を容易に
- ピッチ推移グラフ:音程変化の時間変化を視覚的に示し、瞬間ではなく持続する音としてチューニングを可能に
- 和音うなり調弦:2つの音のうなりを検出し、純正律/平均律の理論通りのうなりとの差を検出
- テンポ逆算機能付き高機能メトロノーム
- テンポ・拍子・サウンド変更などに変更した高機能メトロノーム
- スマホを一定のテンポで叩いたり、ギターで一定のテンポで音を出すとそこから店舗を算出する「テンポ逆算機能」搭載
ダウンロード
Pulsar Tunerは現在開発・審査中です。ReString Loggerは以下のリンクからダウンロード/利用できます:
iPhone/iPad版
こちらのApple App Storeからインストールしてご利用ください:

Android版
こちらのGoogle Playからインストールしてご利用ください:

Webブラウザ版
こちらのリンクからご利用ください:

マイクについて
エアコンが動いている程度の静かな部屋であれば、スマホのマイクでも十分チューニングできます。
ただ、他の楽器が演奏しているなどうるさい環境ではやはりコンタクトマイクの使用がおすすめです。
私は以下の3つのセットでスマホのUSB-Cを利用して接続しています:
3つ目の変換プラグは場合によっては不要かもしれません。上の組み合わせの場合はないと不安定でした。
製品選びのポイントは以下です:
- コンタクトマイクは6.35mmの標準ジャックではなく、3.5mmのミニジャックの端子を持っているものが良いと思います。USB-Cとマイクを変換する製品の多くは3.5mmのため、6.35mmを選ぶともう一段変換が必要です。
- USB-Cとマイクを変換する製品を選ぶ際、4極プラグを選ばないようにしてください。3極でないとたいていのコンタクトマイクはつながりません。
使い方
不良弦判定
不良弦判定を行うには、まず、ReString Loggerアプリにアカウント登録し、ギターの登録と使っている弦の登録を行ってください。詳細な解説はこちらにあります:

それが終わったら「使用中の弦」の「弦クオリティ診断(String QA)」をタップ/クリックします:

すると、診断する弦番号、素材、スケール長の設定画面が表示されますので設定し、「測定を開始する」をタップ/クリックします:

あとは開放弦の測定、12Fハーモニックス、12F実音を指示に沿って弾くと以下のような結果が表示されます:

グラフが弦を弾いてからの音の揺らぎです。左端のほうの弾弦直後のぶれは仕方ないのですが、真円度が低いとぶれが継続します。
その下にはグラフを解析したうなり、そしてハイポジションでの音程の正確さを示す開放弦と12Fの音程の差を数値で示しています。
現状このアプリでは計測結果の絶対値の評価は行っていません。これは、クラシックギター弦の真円度や音程はどの程度で「合格」といえるのかの指標がないためです。
その代わり、皆様が測定結果を保存し、ある程度の数がたまったらその弦の「平均値」が表示されます。これにより、平均に比べて今使っている弦の品質が良いのか悪いのか判断可能です。
ただ、アコースティック環境での測定は個体差も大きいため、現在はβ機能(実験的機能)として皆様のフィードバックとともに精度を高めている段階です。
高機能チューナー機能の使い方
高機能チューナーは、車のスピードメーターのようなアイコンをタップ/クリックして使います(スマホの場合は上部に出ます):

スマホ画面はこんな感じです:

チューナー内のアイコンは左から、針チューナーとストロボチューナーの切り替え、ピッチ推移グラフ表示のオン/オフ、2和音のうなり解析、マイクオン/オフ、そして使い方ガイドです:

設定画面ではより細かい設定ができます:

ストロボチューナーとは
ストロボチューナーは針の位置でチューニングを確認するのではなく、円盤の回転が停止しているかによってチューニングを確認するモードです:

特にデジタル機器の場合針が示せる精度には限界があります。このため、本当は微妙にチューニングがずれていても、針表示は完璧にあっているように見えるというのが現実です。製品にもよりますが、±1~2セントくらいはずれているイメージでしょうか。
ストロボチューナーは円盤が回転しているとチューニングがあっていないというモードのため、回転しているか否かで判断できるため、誤差±0.1セント単位と、針よりも限界まで精度を高められます。
「オートロック」機能とは
オートロック機能は、ギターの音程が一定期間にわたって一定の周波数を保った時にそのことを通知する機能です。
たとえば以下の画面において、ピッチ推移グラフが緑色になっている範囲が一定の音を保っていて「オートロック」されたところになります:

ギターの音は弾弦後に一定になるわけではなく、実際には常に変化します。弾弦直後は音程が上ずりますし、その後も弦が完全な真円でないことから音程が細かく上下します。
このため、チューナーを使ってチューニングしようとするとチューニングがあったり合わなかったりを繰り返すのが普通です。
「オートロック」機能は弦の音程が細かく変わるところを無視するため、一定の音程を長く保っているところを現在の弦の音程と判定して表示/比較します。
これにより、チューナーが指示した最後の結果ではなく、おそらくギターの弦がチューニングされている音程であるところを取り出してチューニング可能です。
曲や人によってアタック時の音程を重視するかサステインを重視するか、また一定になっている範囲や判定の厳しさを変えられるようになっています:

和音うなり調弦
和音うなり調弦は、2つの弦の音の差分に注目して調弦をするモードです。

先述の通り弦の音は時間とともに細かく変化するため、チューニングがあったと思っても実は弦ごとにずれている可能性があります。
そこで、2つの音を鳴らしたときに発生する「うなり」を、その周波数の差分から計算できる理論的なうなりと比較することで和音の美しさを高めようとするのがこのモードです。
ただ、まだうまくいっていない部分もあるためまずはお試しで使ってみて感想を教えていただけると幸いです。
チューニング形式と調律モード
チューニング形式はいわゆる「変調弦」に対応するための設定です:

よくある6弦をDにするモード、6弦: Dと5弦: Gのモード(森に夢見るなど)、6弦&1弦:Dのモード(サンバーストなど)プリセットで用意しているほか、自分でカスタムチューニング形式を作って保存可能です。
調律モードは平均律楽器であるギターの和音の濁りを緩和するためのモードです。

ざっくりいえば、開放弦でチューニングを合わせても弦を押さえてほかの和音を出すと必ず音が濁ります。
曲の調などで一番大事な和音は変わりますので、場合によっては和音が濁ってきたない音に聞こえるかもしれません。このため、プロなどの上級者はわざとチューニングをずらして一番きれいに出したい音がきれいに聴こえるようにします。
このテクニックをチューナーに取り込んだのが「Key(調)」モードと「Chord(和音)」モードです。
Keyモードはその名の通り、曲の調に合わせてずらしたチューニングをします:

Chordモードはもっとマニアックで、弦を押さえた時の張力増加を考慮し、さらに弦長や高音弦の素材まで計算に入れてチューニングします:

本当に普通のチューニングより和音がきれいになるか、試してみてください。
メトロノーム機能
メトロノーム機能は針の動きと点の色、そして音でテンポを示します。
直感的に使える画面になっているかと思います。

テンポ逆算機能は画面下部にあります。

「タップ(TAP)」を一定のリズムで押すと、算出されたテンポが左側に表示される仕組みです。
ギターの音でテンポを算出する場合は、「テンポ逆算(Listen & Tap)」の右側にあるスイッチをタップにしてONにしてください。
ご意見、ご感想をお待ちしています
ReString LoggerそしてPulsar Tunerに実装したギター、特にクラシックギター特化型チューナーはほかにあまり見ないタイプの機能が多く、まだまだ知見が足りません。
ぜひ一度使っていただき、ご意見やご感想をいただけると幸いです。以下のお問い合わせフォームからお願いします:


































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