クラシックギターのおすすめの教則本を紹介~初心者向けから中級、独学向けのものも

クラシックギターの教則本の画像 初心者向け
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初心者がクラシックギターを始めたり、中級者がより腕を上げたりするのに役立つ教則本(教本)にはさまざまなものが存在しています。スポーツと同じく、ギターを弾くにも基礎力が必要であり、教則本は基礎力向上に役立てることが可能です。この記事では現在出版されている教則本のなかからおすすめのものをピックアップし、その特徴を紹介します。

この記事を書いた人
かーる

クラシックギター歴35年、国際コンクール入賞経験を持つ演奏家・レビュアー。「ヘルマン・ハウザー2世」や「ヘスス・ベレサール・ガルシア」を愛用し、演奏者視点で忖度ない機材レビューを発信中。弦のレビュー数は70種類以上。
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定番のカルカッシや青本も良いけど

クラシックギター教則本の定番といえば、「カルカッシ・ギター教則本」でしょう。

また、日本で作られたものとしては、小原安正の「教室用新ギター教本」(通称「青本」)も有名です。

これらは確かに長年使われてきた名著ではあるのですが、少々内容が古いことは否めません

伝統的なクラシックギターの学び方を実践したい方にはおすすめですが、より現代的なやり方を目指すならほかの選択肢もあるでしょう。

初心者向けのおすすめのクラシックギター教則本

まずは初心者向けのおすすめ教則本を紹介します。初心者向けといっても、中級者や上級者も使えるものを紹介しています。

「プランティング」を始めて取り入れた「Pumping Nylon(課題別テクニックを習得する新しいアプローチ)」

現代的な教則本の筆頭にあげられるのが、LAGQのメンバーとして知られるスコット・テナントが書いた「Pumping Nylon」です。

日本では「課題別テクニックを習得する新しいアプローチ」というタイトルで出版されています。

この教則本は今やクラシックギターを演奏する上で当たり前となっている、「プランティング」を教則本に初めて記載したことで知られています

プランティングとは、弦を弾く前に右手を弦の上に置く弾き方であり、昔からギタリストは無意識あるいは意識的にこれを取り入れていました。

しかしながら、奏法の1つとして教則本に掲載し、その練習方法を提示したという意味でPumping Nylonは画期的といえます。

また、内容が非常に合理的に書かれていたり、アンドリュー・ヨークやブライアン・ヘッドといった現代の作曲家による曲が練習曲として収録されていたりする点も新しいです。

Pumping Nylonについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

Scott Tennant の Pumping Nylon は現代的な奏法が勉強できるクラシックギターの教則本
クラシックギターの教本といえば?といわれてまず思いつくのはカルカッシ、青本といったところかと思います。しかしながら、昔ながらの教本は今時の奏法にあっていないところも。おすすめなのはスコット・テナントが書いているPumping Nylonです…

村治佳織/奏一の父親による「ギターだ〜いすき」シリーズ

村治佳織/奏一の父親である村治昇が作った教則本が「ギターだ〜いすき」シリーズです。

1巻と2巻は子ども向けなのですが、3巻と4巻は中高生以上の大人向けとなっており、誰でも使えます。

特に4巻は、村治佳織の著書に、今でもこれを練習の最初にやっているということを示すような記述があり、中級者や上級者でも長く使えるといえるでしょう。

村治佳織もやっている教則本? ハイテクニック・マスターのための新 ギターメソッド 村治昇 著
教則本には色々ありますがやはり現代の奏法でも通用するものが望ましいといえます。村治佳織や村治奏一の父親である村治昇が書いた新ギターメソッドは村治佳織も練習の初めにやっているという教則本です。購入してやってみたので感想とレビューを書きます。ク…

1巻と2巻は子ども向けになっているので、子どもに英才教育を施したい保護者におすすめです。

全4巻を解説する5巻もあります。

独学なら動画付きの教則本がおすすめ

クラシックギターを独学で始めるなら、動画付きの教則本がおすすめです。

独学でクラシックギターを始める場合、どうしても文字だけだと伝わらない情報がありますが、動画付きなら一目瞭然です。

おすすめとしては、たとえばこんなものがあります。

1番目のヤマハの「文字と楽譜が大きいクラシックギター入門」はQRコードを読み取ることでスマホやタブレットから動画が見られるので便利です。

また、「宇宙一やさしいクラシック・ギターはじめました」と銘打った教則本も登場しました。

理論や奏法にあえて触れない!「宇宙一やさしいクラシック・ギターはじめました THE MOVIE」が登場
クラシックギターの初心者向け教本は色々ありますが、かなりの自信がうかがえるタイトルの教本が登場しました。「宇宙一やさしいクラシック・ギターはじめました THE MOVIE」はあえて理論や奏法に触れず、ギターを弾けるようになることを重視した内…

あえて理論や奏法に触れない、実用的な教本です。

中級者向けのおすすめのクラシックギター教則本

続いて、初心者は脱したけどこれからさらに腕を上げていきたい中級者のための教則本です。

短時間の練習でうまくなりたい人向けの「1日に3つのフレーズを5分ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」

ヤマハから出版されている中級者向けの教本(というか練習曲、フレーズ集)が、「1日に3つのフレーズを5分ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」です。

5分で終わるフレーズが270収録されており、1日に3つやれば3カ月、1日1つでも9カ月でコンプリートできるという、忙しい方にピッタリの内容となっています。

ヤマハ自ら対象者を「中級」としており、やり応えがありそうです。

詳細はこちらの記事を参照ください:

1日5分でうまくなる!ヤマハからギターの教則本を終えた中級者向けのトレーニングフレーズ集が発売
クラシックギターを始めてしばらくすると教則本が終わり、そこからどうやって上達していけば良いのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。また、なかなかギターを弾く時間を取れず腕がなかなか上がらないという人もいるでしょう。そんな人のため、ヤマハ…

実際に試してレビューしました:

中級者を目指す人だけでなく上級者の基礎力向上にも!「【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」を毎日の練習始めに取り入れたい
ヤマハから登場した「【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック」は入門教則を終えて中級者を目指す人向けの本とされています。実際に試してみましたが、基礎的な技術を見直したり磨いたりするのに有効であり、上級…

基礎をしっかりかためたい人向けの「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集アルペジオ編/スケール編」

アルペジオやスケールといった基礎をしっかりかためたい方には「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集アルペジオ編/スケール編」がおすすめです。

クラシックギターの曲は大雑把に言えば、ほぼアルペジオとスケールでできています。

このため、この2つの技能を高めることで、多彩な曲に対応できる基礎力を付けることができ、中級者から上級者へのステップアップにつながるでしょう。

詳細はこちらの記事を参照ください:

ギターの基礎技能を徹底練習!「ギタリストのための標準ギター・エチュード選集アルペジオ編/スケール編」があらゆる曲の練習に効果的
ギターを弾く上での基本技能といえば、アルペジオ、スケール、スラーといったところでしょうか。特にアルペジオとスケールは単純な技能でありながら奥が深く、これらを極めることであらゆる曲の演奏に役立ちます。全音楽譜出版社から出ている「ギタリストのた…

毎日の基礎練習ルーチンがほしい人向けの「Complete Warm-Up for Classical Guitar」

ギターを弾き始める前には指ならし(ウォームアップ)が欠かせません。

また、毎日決まった基礎練習をおこなうことで、少しずつ能力を伸ばすことができるでしょう。

そのために有用なのが「Complete Warm-Up for Classical Guitar」です。

この本にはギタリスト兼指導者である著者が、長年の指導のなかで見つけたウォームアップや基礎練習にピッタリの練習内容が収録されています。

著者自身もこのウォームアップをおこなっているそうで、上級者にも役立ちそうです。

毎日少しずつ弾いていくことで、コツコツと腕を上げていくことができます。

詳細はこちらの記事を参照ください:

ギターを弾く前の指慣らしのルーチンが欲しい方へ Complete Warm-Up for Classical Guitarはいかが?
ギターを弾くときは、いきなり曲を弾き始めるのではなく、指慣らしをしてから弾いたほうが指がよく回り、けがも防ぐことができます。また、効果的な指慣らしは基礎練習にもつながり、一石二鳥です。しかしながら、どのような指慣らしをすればいいのかわからな…

年を取ってもギターを楽しみたい人向けの「年齢を超える!ギター技巧維持教本」

人は年齢とともに衰えていくものですが、年を取ってもギターを楽しみたいなら中林淳眞の「年齢を超える!ギター技巧維持教本」を試してみてはいかがでしょうか。

準備運動や筋力を鍛えるだけでなく、脳神経のトレーニングも収録されています。

また、ギターの技術を維持するには右手の小指が重要として、小指を鍛えるトレーニングが収録されているのが新しい点です。

詳細はこちらの記事を参照ください:

年を取ってもギターを楽しみたい!それなら右手の小指を鍛えよう~「年齢を超える!ギター技巧維持教本」レビュー
ギターを趣味にしている方は、できれば年を取っても楽しみたいですよね。でも、年を取ると体と脳が衰え、指は動きづらくなるもの。ギターを弾く能力にもアンチエイジングが必要です。そんな年を取ってもギターを弾く技術を維持する方法を記しているのが中林淳…

独学でうまくなりたいなら「決定版 ギター・エチュード集」

独学でギターの腕を上げたいなら練習曲(エチュード)がおすすめです。

エチュードは名ギタリストたちがギターの技術向上のために書いた曲であり、自分が苦手とする技術を集中的に練習できるでしょう。

「決定版 ギター・エチュード集」には96曲ものエチュードが収録されており、さまざまな技術向上に役立ちます

簡単な曲から難しい曲まで幅広く収録されており、中級者や上級者であっても自分の演奏を見つめ直すのに役立ちそうです。

詳細はこちらの記事を参照ください:

独学者必携!「決定版 ギター・エチュード集」で自分の演奏を見直そう
クラシックギターの曲を弾くには練習が大切。難しい曲になればなるほど練習量がものをいいます。でも、基礎練習だけじゃ退屈ですよね。そんな方におすすめなのがエチュード(練習曲)。その名の通り練習に適した曲にもかかわらず、名曲が多いのが特徴です。「…

読者からのおすすめ

情報交換掲示板に投稿いただいた、読者からのおすすめ教則本を紹介します。

ほかにもありましたら追加しますので、ぜひこの記事のコメント欄かお問い合わせからご連絡ください。

サグレラスの教則本(Julio S. Sagreras Guitar Lessons Book 1-3, 4-6)

ギターねこさんから推薦されたのが、マリア・ルイサで知られるサグレラスの教則本です。

Book 1-3とBook 4-6に分かれており、4-6が上級編です。

日本ではあまり知られていない練習曲が多数含まれており、これまでほかの教則本をやってきた人でもこれまでとは異なる練習ができるでしょう。

きれいな曲も多く、初心者向けから上級者向けまで幅広く網羅されており、英語ながらさまざまな方が解説動画をアップしているとのことです。

当然日本語ではなく英語ですが、英語の教本はスマホカメラを使うと簡単に翻訳できます

もう輸入楽譜や英語の教本なんて怖くない!スマホカメラの自動翻訳機能を利用しよう~Google翻訳アプリとiOS15のカメラアプリを比較
楽譜のなかには輸入版が多くあり、その多くは英語で解説が書かれています。特に教本は解説が大切ですので、英語が苦手な方にとっては身構えてしまうかもしれません。しかしながら、最近は技術の発達で翻訳がかんたんに。スマホのカメラで撮影するだけで翻訳が…

IMSLPにもBook 1がありますが、スペイン語のようです。上で紹介したスマホカメラを使って翻訳すると良いかもしれません。

Las lecciones de guitarra (Sagreras, Julio Salvador) – IMSLP

教則本を活用して効率よくギターの腕を上げよう

ギターの演奏技術を向上しようと思っても、曲ばかり弾いていたのではなかなかうまくなりません

スポーツ選手が筋トレ、走り込み、素振り、キャッチボールなどをおこなうように、ギタリストにも基礎力をつけるための練習が必要です。

教則本はそのために役に立つ本であり、ギターを弾くなら1つは持っておきたいといえるでしょう。

初心者はもちろん、中級者であっても教則本を使って練習することを習慣にするのがおすすめです。

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