もう力まない!クラシックギターの本番で「手の震え」を防ぐ科学的当日ルーティン

クラシックギター奏者の本番の行動のイメージ 体のケア
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練習ではあんなに弾けていたのに本番では実力が出せないという悩みは多かれ少なかれ誰もが持っているものです。その悩み、実はあがり症や緊張によるものではなく、本番当日の過ごし方に原因があるかもしれません。この記事では本番での演奏をより良くするためのコンクールや発表会、コンサートの当日の過ごし方を科学的根拠に基づいて解説します。

この記事を書いた人
かーる

クラシックギター歴35年、国際コンクール入賞経験を持つ演奏家・レビュアー。「ヘルマン・ハウザー2世」や「ヘスス・ベレサール・ガルシア」を愛用し、演奏者視点で忖度ない機材レビューを発信中。弦のレビュー数は70種類以上。
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楽器の演奏は「小筋肉のアスリート」

クラシックギターなどの楽器の演奏は文科系といわれ、スポーツの体育会系とは異なるもののように思われがちです。

しかしながら、実は楽器の演奏は「小筋肉のアスリート」にたとえられるほど複雑かつ繊細な筋肉の制御が求められます(参考:the Strad)。

たとえば右手は高速で弾弦することもあればミリ単位で角度や深さをコントロールする必要がありますし、左手はセーハを含め複雑かつ縦横無尽に常に動き続けます。さらに、右手と左手が同期していないと音楽になりません。

このような高度な動作を行うためには、単に「緊張をほぐす」とか「演奏に集中する」という演奏するときだけの対策では不十分です。

アスリートと同じようにコンディションが重要であり、当日の過ごし方が演奏の成否を決めます

本番当日の推奨される過ごし方のタイムライン

クラシックギターのヘッドと時計のイメージ

まずは本番当日にどのように過ごすべきか、推奨されるタイムラインを表で紹介します。

ここでは本番が夜の7時(19時)にあるものとして表を作成しましたが、「最後のまとまった食事」より前は適宜前倒し/後ろ倒ししてください。

本番までの時間フェーズ行うべき行動
10時間前
(09:00)
起床と体内時計の同期前夜に7〜9時間の睡眠を確保した上で起床。すぐに太陽の明るい光を浴びてメラトニンの分泌を止め、体内時計を前倒しして眠気を素早く払拭する。低GIの朝食(オートミール、卵など)を摂り、安定した血糖値のベースラインを作る。カフェインは日常的に依存していない限り避ける。
8時間前
(11:00)
イメージトレーニング中心の練習と爪や弦の状態確認楽器を激しく弾き込むことは避け、10〜15分間のイメージトレーニングを行う。楽器を持つ場合も、爪の形や弦の状態を確認する程度の短時間のゆっくりとした確認(20分程度)に留め、筋肉を疲労させない。こまめに水分を摂り始める。
4時間前
(15:00)
最後のまとまった食事本番に向けた最後の主要な食事を摂る。反応性低血糖によるクラッシュと、それに伴うアドレナリン誘発性の手の震えを防ぐため、できるだけ低GI食品(複合炭水化物、赤身のタンパク質、健康的な脂質)のみで構成する。
2時間前
(17:00)
水分補給と会場入り500mlの水を飲む。これにより、腎臓が余分な水分を処理して排出するまでに正確に2時間が確保され、本番中の膀胱の膨張を防ぎつつ細胞を十分に潤すことができる。会場に到着し、空間の音響や雰囲気に順応する。
60分前
(18:00)
ウォームアップ控え室にて10分間の物理的ウォームアップを開始する。楽器を持たない肩や手首のストレッチから始め、右手の開放弦アルペジオ、左手のクロマチック・スケールとスラーへと段階的に移行する。手指が滑らかに動く感覚が得られたらすぐに楽器を置き、本番の曲目は練習しない。
30分前
(18:30)
体温調節と自律神経の安定化手が冷えている場合、洗面台等で38℃〜42℃の温水に手と前腕を3〜5分間浸すなどして、指が動かしやすい皮膚温度(28℃〜32℃)を回復させる。
静かに座り、5〜10分間の共鳴呼吸(5~6秒吸い、5~6秒吐く)を行う。迷走神経を刺激して心拍数と不安を下げる。
20分前
(18:40)
最後の水分補給バックステージの熱や不安による不感蒸泄(発汗)を相殺するため、250mlの水を最後の水分として飲む。
2分前
(18:58)
集中のためのルーティン舞台袖で待機中に「7ステップセンタリングプロトコル」を実行する(後述)。
本番
(19:00)
ステージへの入場ステージへと歩みだす。
クラシックギターの本番での演奏当日の過ごし方のタイムライン

それでは以下から各項目の根拠となる内容を詳しく解説していきます。

時間生物学に基づく起床から出発までの過ごし方

まずは時間生物学の観点で、推奨される当日の過ごし方を解説します。

繊細な動きや複雑な協調運動は午後や夕方に強化される

人間の生理機能は約24時間周期の概日リズムに従って動作しており、筋力、関節の柔軟性など身体的なパフォーマンスは時間帯によって変わります

研究によると身体的なパフォーマンスは深部体温に連動しており、深部体温は朝の4時から6時に最低値、午後遅くから夕方にかけてピークを迎えます(参考:Atknson and Reilly, 1996)。

楽器の演奏で求められる繊細な運動や複雑な協調運動でも同様で、朝の時間帯は夕方に比べて運動速度や正確性が優位に低下することが実証されているのです(参考:Truong, et al., 2022)。

したがって、本番はできれば午後遅くから夕方にかけてスケジュールされることが最も望ましいです。ちなみに練習についてもスキルが定着しやすいのは午後や夕方の練習とされています。

「睡眠慣性」を避ける

そうはいっても本番の時間は自分でコントロールできないことが多いです。

早めの時間に本番が組まれた場合、「睡眠慣性」に注意しましょう。これは睡眠状態から覚醒状態への移行期を指し、頭の鈍さ、注意力散漫、繊細な動きが難しいといった症状が現れます(参考:Ubie)。

睡眠慣性の持続時間は最大で120分続くといわれているため、余裕をもって最低でも本番の3時間前には起床したいものです。

また、睡眠慣性は太陽光など強い光によって早く脱却できます。起床後5分以内に太陽光を10分から15分浴びるのも効果的です。

練習はイメージトレーニングにとどめる

本番当日は不安から、いつも以上の練習をしがちですがこれは逆効果です。

本番当日の過度な練習は手指の筋肉に微小な損傷をもたらし、肉体的・精神的な疲労を起こします。また、本番当日にできないところができるようになることは少なく、むしろ焦りや不安が増幅するだけです。

そこで利用したいのが精神的視覚化、いわゆるイメージトレーニング物理的な動作を鮮明にイメージすることは、実際にその動作を行う際と同じ脳の運動野の神経回路を活性化させることが研究で証明されています(参考:Bernandi, et al., 2013)。

眼を閉じて指板上のポジション移動、右手と左手の弦の触覚、さらにはホールの音響、そしてそこで落ち着いて演奏できている自分の感情状態まで詳細に視覚化しましょう。

イメージトレーニングは本番前だけでなく、疲労を伴わずに上達できる便利なツールです。

静かな音楽と手への負担が少ないケースで会場へ

会場へ向かう際は、気分を盛り上げようとテンポの速い曲を聴くのではなく、リラックスできる曲を聴いて過剰な交感神経の興奮を防ぐことが重要です。

また、会場への移動の際に手や肩に負担をかけにくい軽いケースの使用がおすすめです。具体的にはスーパーライトケースが理想的といえるでしょう。

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あるいは、ハードケースであっても比較的軽量で、リュックのように背負えるものが望ましいです。アランフェスケースのカーボンタイプか、BAMケースが該当します。

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栄養学と神経内分泌系の知識に基づく栄養素の取り方

次に栄養学と神経内分泌系の知識に基づく、当日のおすすめ過ごし方を紹介します。

GI値が高い食品は手の震えを誘発する

食事の種類は単に栄養補給の手段ではなく、神経の安定を決定づける要素でもあります。

特に注意したいのが血糖値です。血糖値の急激な変動は集中力、記憶(暗譜した楽譜)の引き出し、そして感情のコントロールに影響します。

さらに、血糖値の変化は繊細な運動を支配するストレスホルモンの放出を引き起こしてしまいます。

脳は低血糖を感知すると、生命の危機と判断し、血中のアドレナリンを急増させます。アドレナリンは心拍数の増加、発汗、強い不安感、そしてアドレナリンが原因の手の震えを引き起こすのです(参考:Sparague and Arbelaez, 2013)。

指先の繊細さが命のクラシックギター弾きにとっては致命的といえるでしょう。

気を付けたいのは、低血糖を防ぐために糖分が多そうな食事(高GI食品)をとるという誤った行動です。

人間は急激に血糖値が上がるとそれを下げようと膵臓からインスリンを大量に分泌するのですが、いわゆる高GI食品に対してはインスリンが過剰に分泌され、食後1時間から3時間たった後に逆に低血糖状態(反応性低血糖)に陥ってしまいます

本番当日に摂取が望ましい食材

したがって、本番当日は高GI食品を避け、緩やかで持続的に脳に栄養(グルコース)を供給する低GI食品を摂取すべきです。また、たんぱく質はGI値を下げ、脂質はインスリンの急上昇を抑えるので取るべべきです。

本番当日に推奨される栄養素と具体的な食材、そして逆に避けるべき食材は以下になります:

主要栄養素生理学的根拠推奨される具体的な食材コンビニで買える商品例逆に避けるべき食材
複合炭水化物(低GI)脳に対して平坦な曲線で持続的にエネルギー源(グルコース)を供給する。反応性低血糖を防ぎ、アドレナリン誘発性の手の震え(振戦)を予防する。オートミール、全粒粉パン、玄米、豆類、サツマイモ、食物繊維が豊富な野菜もち麦や玄米・雑穀のおにぎり、大麦り入りや糖質オフのパン、ソイジョイ砂糖を多く含むシリアル、白パン、ペストリー、菓子類、純粋なフルーツジュース、精製された白パスタ
良質なタンパク質満腹感を持続させ、炭水化物の胃からの排出を遅らせることで食事全体のGI値を下げる。演奏で生じた筋肉の微小断裂を修復する卵、鶏肉、魚介類、豆腐、ギリシャヨーグルト、赤身肉。サラダチキンやチキンバー、ゆでたまご、オイコスやパテルノといったギリシャヨーグルト消化に過度なエネルギーを要し、本番中の疲労感や胃腸の不快感を招く脂身の多い重い肉類や揚げ物。
健康的な脂質消化を緩やかにし、インスリンの急上昇を伴わずに高密度で安定したエネルギーを供給するアボカド、ナッツ類、種子類、卵黄、オリーブオイル素焼きナッツトランス脂肪酸を含む食品、過度に油っこいジャンクフード。
ギター演奏の本番当日に取るべき食材と避けるべき食材

さらに、血糖値を安定させるためには食事を一度に取るのではなく、少量ずつ何回かに分けて摂取するほうが良いです。

また、胃腸での消化吸収に血液が集中すると脳や手指への血流が低下するため、演奏時間の2~3時間前には食事を終えるようにしましょう。

カフェインは手の震えを誘発する

演奏前にリラックスしたくてコーヒーなどカフェインが含まれたドリンクを飲む方がいらっしゃいますが、できればカフェインの摂取は避けたほうが良いです。

カフェインには疲労感を遅らせ、覚醒度と運動速度を高める効果があります(参考:TRIALX)。

このような特徴はデスクワークには良いのですが、残念ながらクラシックギターなどの繊細な動きを求められる場面ではカフェインの悪い面のほうが大きいです。

カフェインの手作業による精密操作への影響を評価した臨床試験によると、カフェインを摂取した方々は誤りの持続時間や発生頻度が優位に増加しました(参考:Traxler, et al, 2022)。一言でいえば、カフェインは低血糖同様手の震えを起こしたり悪化させたりするのです(参考:Jacobson, et al., 1991)。

さらに、すでにステージ上で緊張のあまり交感神経が過剰に興奮している状態で中枢神経刺激薬であるカフェインを追加すると事態をより悪化させます。心理学でいう「ヤーキーズ・ドットソンの法則(ストレスや覚醒レベルは適度であれば良いが、過剰だと下がる)」ですね。

したがって、普段カフェインを摂取しない方は当日のカフェイン摂取は避けるべきです。

一方、普段から大量のカフェインを摂取している場合、急にカフェインを絶つと離脱症状と呼ばれる症状が出るため逆に悪影響が出る場合があります。それでもカフェインは最小限の摂取とし、かつ食事やほかの水分とともに摂取することで血中のカフェイン濃度の上昇を緩やかにすべきです。

水分補給の重要性と摂取方法

次に演奏前における水分補給の重要性と、摂取方法を解説します。

楽器演奏者にも脱水リスクがある

スポーツの練習や試合においては水分補給の重要性が広く知られるようになり、以前のように学校の部活でも一切水分を取らせないようなことはなくなりました。

クラシック音楽の演奏者は発汗によって脱水症状になりづらいと思われがちですが、実はステージ証明からの熱や緊張による発汗、そして楽器を操作するための労力により体内からは想定しているより多くの水分と電解質が失われます

人間は体重の60%が水分でできており、体内の水分量がわずかに低下しただけで血液の粘度が上昇します。

すると心臓から指先の毛細血管へと温かい血液を送り届けることが難しくなり、手指の冷えと硬直を招くのです。

さらに水分が奪われると脳が機能低下し、集中力を落としたり疲労感が増えたりするうえ、脳が「水分不足=生命の危機」と判断することで不安や緊張を招きます(参考:The Art of Freedom)。

本番当日の推奨される水分補給方法

だからといってステージの裏でペットボトルから大量に水を飲むという行為はおすすめできません。直前の大量摂取は胃の不快感をもたらしますし、ステージ上で尿意を覚えるリスクがあります。

そこで、体内の適切な水分量を維持するためには時間を逆算した摂取が必要になります:

摂取タイミング推奨される摂取量生理学的メカニズムと根拠
本番の24時間〜48時間前日常的な十分な摂取当日ではなく、前日からの継続的な摂取によって、しっかりと体内に水分量を確保しておく。
本番の2時間前500~600ml本番に向けたメインの水分補給。2時間前であれば、腎臓が余分な水分を濾過して尿として排出するための十分な時間が確保でき、ステージ上での尿意を防ぐことができる。
本番の20分前150~25ml補充としての補給。2時間前から本番直前までに、呼吸や軽い発汗で失われた水分を補う。膀胱を過剰に満たすことのない適切な量。
演奏本番に向けた理想的な水分摂取

摂取する水分は常温のものが望ましいです。極端に冷たい小売り水は胃腸に迷走神経反射を引き起こし、身体のこわばりを生む可能性があります。

人間工学や運動生理学に基づく体温調節と血流改善

本番が近づくと手指が冷え、思うように動かせなくなる方は多いのではないでしょうか。

このような症状は自律神経の働きによるもので、手指の動きが命のクラシックギター弾きにとっては致命的です。

28℃から32℃が理想の手指の皮膚温度

人間工学や運動生理学の研究によると、人間の手や指の皮膚温度が15℃を下回ると器用さ、握力、触覚の感度、神経伝達速度が壊滅的に低下します(参考:BIZU)。

また、手指の温度が低下すると筋線維や腱の粘性が高まり、指を動かすのにいつもよりも多くの労力が必要となり、ミスタッチの確立が跳ね上がります(参考:Orysiak, et al., 2023)。

一方、逆に過度に温度が上がると発汗し、指先が滑りやすくなるため過剰な力で弦を押さえ付けるようになり、疲労を誘発します。

さまざまな研究によると手指の器用さと滑りづらさを両立する最適な手指の皮膚温度は28℃から32℃だそうです(参考:BIZU)。

温水に手と前腕をつけると即効性がある

寒さや不安による手指の冷えを改善する場合、手袋をつけるので不十分です。手袋自身には発熱性がなく、そもそも手指が冷えているので温度を高める効果が低いのです。

本番前であれば、38℃から42℃の温水に手と前腕を3分から5分ほど浸す行為に即効性があります(参考:Classical Gujitar Shed)。爪が水分を吸って柔らかくなってしまうため、終わったらすぐに水分を拭き取りましょう。

温熱刺激は手指のこわばりや異常な筋緊張を緩和する働きもあります(参考:An, et al., 2019)。

また、皮膚温度が極端に低い場合、手だけ温水で温めてもすぐにまた冷えてしまうことが研究で示されています。温水に付けた後は上着を着こむなどして、本番までの間に体幹部を温かく保ち続けることが重要です(参考:Orysiak, et al., 2023)。

とはいえ、控室や会場にお湯が出る蛇口があるとは限りません。そこで私はUSB充電できる電気カイロをいつも持ち歩いています:

携帯式電気カイロでかじかんだ楽器を弾く指を温める モバイルバッテリーにもなって一石二鳥
冬になってくるとだんだんと指がかじかんで動きづらくなってきます。そんな時は携帯式の電気カイロを使うと手軽にかつ素早く温められます。しかもモバイルバッテリーにもなるので一石二鳥です。指がかじかんで動かない冬冬になってくるとギター弾きに限らず楽…

いざというときのモバイルバッテリーにもなるので便利です。

控室で練習しない、ウォームアップにとどめる

当日起きてからの行動と同様、控室での練習は推奨されません。本番で演奏する曲を弾くとそのための筋肉が披露し、いざ本番となった時に思うように動かしづらくなります。

本番前に控室で行うウォームアップはストレッチ、右手のためのアルペジオ、左手のためのスケール、そしてスラーやセーハなど、全部で10分程度で十分です。

もし時間が余ったら一度楽器を置きましょう。そして出番の直前にこの短縮版を2~3分行えば準備は整います。

「7ステップのセンタリングプロトコル」で演奏に集中する

いよいよステージに上がる時間が目の前に来たら、心理的に演奏に集中できる環境を整えます。

おすすめなのが、オリンピック選手が最高のパフォーマンスを発揮するための「センタリング(Centering)」という技術を心理学者のドン・グリーン博士が音楽家や舞台芸術家に向けて最適化した7ステップのセンタリングプロトコルです(参考:winning on stage)。

ステージに出る前、舞台袖で以下を行いましょう:

  1. 視線より下にある特定の1点を見つめる(床のしみや譜面台の端など)
  2. 「ミスをしませんように」などの消極的な願いを捨て、音に対する断定的かつ肯定的な目標に置き換える(冒頭の和音を深く豊かで温かい音色で響かせる、など)。博士によると脳は「~しない」という否定の命令を実行できず、肯定的なターゲットを必要とするとのこと。
  3. 横隔膜をしっかり動かす深い呼吸を3回行う
  4. 呼吸の最中、頭の先からつま先まで意識的に体をスキャンし、力んでいるところがあれば解き放つ
  5. 自分の物理的な重心(へその5センチ下、いわゆる丹田)に意識を集中する。重心を意識すると頭の中が静かになり、地に足の着いた感覚を得られる。
  6. 自分自身が目指す理想のテクニックや音色を凝縮した1つの単語や感覚的なイメージを頭の中で繰り返す(「流れるように」「深い低音」「甘い音」など)。
  7. 丹田に集まったエネルギーをレーザービームのように胴体から頭部に引き上げ、ステップ1で見つめた先に一気に解き放つイメージを持つ。

精神的な内容を感じるかもしれませんが、要は不安に思うことばかり考えるのをやめ、演奏に集中する土台を作るための手段なのでしょう。

まったくこの通りにやらなくてはいけないわけではないですが、肯定的な気持ちになることは重要だと思います。

当日の準備をしっかりして、あとは運を天に任せよう

この記事ではクラシックギターのコンクールやコンサート、発表会当日のおすすめの過ごし方を科学的根拠に基づいて解説しました。

せっかくその日まで積み重ねてきた努力を無駄にしないためにも、当日の過ごし方にもこだわってみてはいかがでしょうか。

ただ、ステージに出てからどうなるかはやってみないとわかりません。やれることだけやって、あとは運を天に任せましょう。

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