弦の評価: ハナバッハ シルバースペシャル 黒 ミディアムテンション(Hannabach Silver Special 815MT BLACK)

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昔ながらのクラシックギター用弦の代表とも言っていいハナバッハ。そのなかでも標準品といわれているのがハナバッハの黒です。今まで使ったことがなかったのですが、さすがに人気があるだけあっていい弦でした。

ハナバッハといえばこれ

ハナバッハシルバースペシャルの黒といえば、「ハナバッハを使っています」とだけいわれたらほぼ張っていると思って間違いない弦です。

ハナバッハは、一昔前は、オーガスチン、プロアルテと並んで人気のある弦の一つでした。最近はサバレスが頭一つ抜けた感がありますが、それでも新製品を出すなど精力的に活動しているメーカーです。

メーカーとしてのハナバッハについてはこちらの記事を参照ください:

昔はハナバッハはほかのメーカーに比べて少しお高めというイメージでした。が、ほかのメーカーが値上げされるなかでハナバッハは価格をそれほど上げず、結果的に同じくらいの価格帯に。

いいのか悪いのかわかりませんが、以前に比べると相対的に使いやすくなったように思います。

そんなハナバッハの黒ですが、実はこれまで縁がなく使ったことがありませんでした。極端にテンションの低いスーパーロー(黄色)や、極端にテンションの高いスーパーハイ(赤)はあるのですが、なぜか黒は使ったことがなく。。。

さすがに弦のレビューをいろいろしている身としてそれはまずいだろということで今回試すことにしました。

作りのよさと重厚さが伝わってくるパッケージ

パッケージはこんな感じ:

いかにもドイツらしく重厚で、作りのよさが伝わってくるようなパッケージです。どのテンションも色違いで同じデザインですが、特に黒はハナバッハらしい色使いのように思います。

シルバースペシャルの低音弦はコーティングされているのですが、そのうえでさらに「HANNABCH AIR-SEALED」という空気を遮断するパッケージに入っているのは好印象ですね。

裏面にはテンションと弦の直径が書かれています。ハナバッハのテンションは他社に比べて高めに書かれているように思います。ハナバッハ黒のテンションを合計すると41.8kgと、他社では立派なハイテンションです。が、実際に触ってみるとそれほどでもありません。

弦のテンション表記はぜひ業界全体で統一基準を作ってほしいものです。

個別の弦のパッケージの裏には、シルバースペシャルのテンションのバリエーションについて書かれています。シルバースペシャルは全部で5テンション。なのですが、実は高音弦は2種類しかなく、スーパーハイとハイ、ミディアムとローとスーパーローで分かれています。せめてスーパーローくらいは別の弦にしてもいいのでは?とも思いますが、そういうもののようです。

実際に張ってみるとこんな感じ。ザ・クラシックギターという感じの見た目です。

金属音が少ないけど輝きはある

肝心の音ですが、全体的に金属音が少ないという印象を受けました。

オーガスチンや最近のサバレスは金属音が結構して、それできらきらとした輝きを出しているように思います。

一方、ハナバッハの黒はベースとなる音がしっかり出ている一方で、倍音といわれる金属音的な部分が少ないです。このため、特に6弦はしっかりと低音が出てくれます。

金属音が少ないから輝きがないかというとそんなことはなく、音の輝きをしっかり保っているのがさすがは老舗の弦という気がしました。

この金属音の少なさは、音の分離のよさにもつながっています。金属的な音が強すぎる弦だと、その音が邪魔をして和音を出したときにそれぞれの弦の音が埋もれる傾向にあります。ハナバッハの黒は金属的な音が少ないために、それぞれの弦の音がうもれることなく聞こえ、分離のよさを感じさせるわけです。

どっしりとした、落ち着きのある音を好む方におすすめ

ハナバッハの黒は、派手さや華やかさという意味では一歩劣りますが、重厚さや分離のよさという点では他よりも秀でているように思います。

このため、金属的なシャリシャリした音をあまり好まず、どちらかというと落ち着きのある音を好む方におすすめといえます。

バロックとか古典物を弾くのにもいいでしょうね。

最近はいまいち影が薄くなった感もあるハナバッハですが、決してその実力はほかのメーカーに劣っていませんよ。

弦の評価
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この記事を書いた人
かーる(クラシックギター研究室 主宰)

クラシックギター歴35年、国際ギターコンクール入賞。愛器「ヘルマン・ハウザー2世」、「ヘスス・ベレサール・ガルシア」とともに、クラシックギターのプレイヤー目線の実践的ノウハウを発信しています。

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