国産の吉野杉を使ったクラシックギターが2019年の弦楽器フェアに出品

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クラシックギターの表面板の材料は松と杉が主流ですが、国産の材料はなかなかありません。そんな中、2019年の弦楽器フェアで吉野杉を使ったクラシックギターが展示されるという情報が。ん?でも日本の「杉」ってクラシックギターの「杉」とは違うんじゃ…?

500年の歴史を持つ日本最大人口美林の1つ

吉野杉は500年の歴史を持つ日本の伝統的な木材だそうです。

酒樽や樽丸として使われてきた

吉野杉は江戸時代から昭和にかけては酒樽や樽丸(樽を作るためのパーツ)として使われてきた歴史があるそうです。

その理由が吉野杉の持つ「白線帯」と呼ばれる部位にあるそうです。

この白い部分は水を通しづらくなっており、樽材として最高なのだとか。なぜかはよくわかっていませんが、吉野杉ではこの白い部分がよく出るそうです。

国産割りばしのシェアNo.1

そして、現代では吉野杉は国産割りばしの材料としてのシェアがNo.1なのだそうです。

香りがよく折れにくいためお箸として最適なのだとか。

クラシックギターの材料の「杉」とは別物

「杉」のギターというとこれまでも普通にクラシックギターに使われてきたかのように思うかもしれませんが、日本の「杉」とクラシックギターの「杉」は別物です。

詳細は以下で説明していますが、クラシックギターの「杉」は「米杉」と呼ばれるもので、日本で花粉症の原因として問題となる「杉」とは違う木になっています。

日本の「杉」が普通に売られているクラシックギターに使われたことはなく面白い挑戦です。

丸山 利仁 さんが吉野杉を使ったクラシックギターを製作

この吉野杉を使ったクラシックギターを製作しているのは奈良県の丸山利仁さんという製作家の方だそうです。

元々、奈良県森林技術センターが2015年からバイオリンやビオラ、チェロといった弦楽器に吉野杉を使ったものを製作していたそうです。

その音を聞いた丸山さんがその音に感動してクラシックギターの製作に挑んだのだとか。

樹齢200年、乾燥10年以上の吉野杉を使用

このクラシックギターには樹齢200年、乾燥10年以上という吉野杉の大木が使われたそうです。

かなりの樹齢200年ということは大木でしょうね。

音響特性はスプルースとシダーの中間

気になる音ですが、音響特性を測定したところスプルース(松)とシダー(米杉)の中間の音だったそうです。

強度的にも問題なく、クラシックギター用の材料として問題ないそうです。

使用した吉野杉は年輪が詰まっており、強度と粘りがあるとのことです。

製作者ご自身がソルの月光を演奏している動画がこちらにあります:

また、完成したギターの写真はこちらのブログで見れます

見た目はシダーのギターに近い感じです。音は輝きのある音でよく響いているように思います。ちょっと金属っぽい感じもしますが、弦や弾き方、録音のためもあるかもしれません。

プロのギタリストの感想としては、「中高音の響きがよく、立ち上がりが早い」とのことですが、まさにその通りと思います。

2019弦楽器フェアで試奏と商談が可能

この吉野杉で作られたギターは2019弦楽器フェアで試奏と商談が可能だそうです。

弦楽器フェアは毎年東京の科学技術館で行われるイベントで、ギターを含む弦楽器が多く展示され、プロの演奏者によるコンサートもあります。

今年は2019年の11月1日(金)~3日(日)に開催されます。チラシのPDFはこちらにあります

「商談」が可能ということは気に入れば吉野杉のギターをオーダーできるということかもしれません。

スプルースとシダーが伝統的な材料ではありますが、これらに永遠にこだわり続けることは必ずしもいいことではありません。日本産の材料が広く使われていくと面白いですね。私の知る限りではエゾ松を使ったものくらいしかないと思うので。。。

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この記事を書いた人
かーる(クラシックギター研究室 主宰)

クラシックギター歴35年、国際ギターコンクール入賞。愛器「ヘルマン・ハウザー2世」、「ヘスス・ベレサール・ガルシア」とともに、クラシックギターのプレイヤー目線の実践的ノウハウを発信しています。

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