ギターリフトを超えた安定感?「Le Support」のストラップ固定で支持具の「ズレ」は過去のものに

Le Supportとストラップ ギター用品
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最近登場したギターリフトはギターの裏板に固定するという画期的な構造で、プロの間でも広く使われています。その人気と簡単な構造からギターリフトには二番煎じのような類似品が多く存在するのも事実です。「Le Support」も見た目はそんな類似品の一種なのですが、ストラップで固定という新たな構造でギターリフトを超える安定感を生み出しました

この記事を書いた人
かーる

クラシックギター歴35年、国際コンクール入賞経験を持つ演奏家・レビュアー。「ヘルマン・ハウザー2世」や「ヘスス・ベレサール・ガルシア」を愛用し、演奏者視点で忖度ない機材レビューを発信中。弦のレビュー数は70種類以上。
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人気の裏板固定型支持具

ギターの裏板に吸盤で固定する方式の支持具はギターリフトから始まり、瞬く間に人気の支持具となりました。

私もギターリフトを購入して使用しましたが、面積が広い裏板に固定するという方式のため、確かにこれまでにない安定感で人気になるのもうなづけます

その人気と簡単な構造からさまざまな類似品が販売されたのも事実です。

廉価版のKoyunbabaという支持具をギターリフトと比較しましたが、細かいところは本家に劣るものの、コストパフォーマンスは高いです:

また、ギターリフトの進化系として両脚で支えるエルゴノミックサポートという製品もあります:

ギターリフトを超える安定性の「Le Support」

この4,5年の間にフランスで開発された「Le Support」は、一見ギターリフトの類似品に見えますが、独自の進化を遂げた支持具です。

その特徴は腰に固定するためのストラップにあります。

基本はエルゴノミック・サポートに近い

Le Supportの基本構造はEmbracingGuitarのエルゴノミック・サポートに近く、背面固定・両脚支持という仕様です。

Le Supportの写真
Le Supportをギターに取り付けた写真(出典:Le Support

工夫としてはアクリル板が大きくえぐられた形になってり、裏板の響きをできるだけ殺さないようにしています。

強度を保つために6mm厚のレーザーカットされたアクリルガラスが原料です。

ギターリフトには取付位置の微調整が難しいという欠点がありますが、 Le Supportは吸盤の取り付け順序を守ることで本体を回転させて高さの調整が可能です:

Le Supportの取り付けと高さ調整
Le Supportの取り付けと高さ調整(出典:Le Support

ストラップによる腰部への固定が最大の特徴

ここまではギターリフトやエルゴノミック・サポートとあまり変わらないのですが、Le Support最大の特徴はストラップによる腰部への固定にあります。

Le Supportの取り付けと腰部固定用ストラップ
Le Supportの取り付けと腰部固定用ストラップ(出典:Le Support

Le Support本体にフックをねじ込み、そこにストラップを取り付けて締めることで、腰とLe Supportが固定されます。

普通の支持具の場合、身体を前後左右に傾けたときにギターが身体と同期して動かないので、腕などでギターを支える必要があります。

Le Supportはストラップで腰と固定することで、あたかもギターが身体の一部として同調するような演奏が可能です。

支持具を使っているとどうしても滑る・ずれるといった現象が起き、演奏に支障をきたすことがありますが、固定すればかなり抑えられるのではないでしょうか?

実際の取り付けや、取り付けた状態での演奏はこちらの公式動画がわかりやすいです:

素材に一般的なアクリルよりも剛性が高く反りにくい6mm厚の「キャストPMMA(高級アクリル樹脂)」を採用している点も、激しい演奏でも支持具自体がしなることなく奏者の意図をダイレクトに楽器へ伝えられる重要な要素といえるでしょう。

マーク・ウシェロヴィッチモデルなどさまざまなモデルが存在

Le Supportには様々なモデルが存在します:

モデル特徴価格
Le Support Proプロフェッショナルライン135ユーロ~199ユーロ
Le Support Etudeアマチュアや学生向け、色を限定し厚さを5mmにして安価に提供、ストラップ非対応99ユーロ
Le Support VOYAGER持ち運び重視の小型モデル105ユーロ
Le Support X Mark Usherovichクラシックギター製作家のマーク・ウシェロヴィッチとのコラボモデル、ダブルトップギター製作に近い手法でオーダーメイド499ユーロ

日本では猪居亜美氏が使用していることで知られるマーク・ウシェロヴィッチとのコラボモデルがあるのが面白いです。価格は高いですが…。

ストラップはオプション購入必要

ストラップは標準で付属しているわけではなく、別途購入が必要です。

ステージ上で取り付けるのが面倒などの理由で避ける人が多いのでしょうか。

価格は19.99ユーロ(約3,700円)です。

日本未発売だが注文は可能

Le Supportは今のところ日本の代理店が取り扱っておらず、未発売です。

ただ、公式サイトから日本を発送先として選べることから注文はできます

試しに日本の住所を入れてみたらLe Support Proの送料が34ユーロと表示されました。

Pro本体:135ユーロ、ストラップ:19.99ユーロ、送料:34ユーロ、合計:188.99ユーロ(約35,000円)で購入可能そうです。

ギターリフトに比べても高価ですが、ストラップを重視するならこれ以外ないでしょう。

ギターリフト+ストラップでDIYできる?

ギターリフトにはストラップのオプションはありませんが、吸盤取付用の穴がたくさん開いています。

吸盤用の穴にストラップを取り付ければLe Supportと同じことができるかもしれません。

ギターリフト本体もストラップもLe Supportから買うより安いので試す価値はありそうです。

あるいはギターリフトではなく廉価版のKoyunbabaという手もあります:

ギターと身体を同期させる「Le Support」、ギターを固定して自由を得る「UpGuitarbus」

この記事で紹介したLe Supportは、ギターと身体の一体感向上を目指した支持具です。

ストラップで身体に固定することで身体が動いてもギターがそれに追従するため、保持するための力不要で脱力につなげられるかもしれません。

支持具が目指す別の流れには身体との分離もあります。その例の1つが以下の記事で紹介したUpGuitarbusです。

それぞれにそれぞれの良さがあるのですが、今後ギターの演奏スタイルはどちらの方向に向かうのでしょうか?それとも、これらを両立する画期的な演奏方法が生まれるのでしょうか?

今後の進化が楽しみです。

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